オフトナイズが地域おこし協力隊をおすすめしない最大の理由はコレ!

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移住と言えば、わかりやすい選択肢に「地域おこし協力隊」があります。

「山口移住ブログ」と言いつつ「地域おこし協力隊」について一切触れてこなかったオフトナイズですが、今回はその理由を書きたいと思います。

「地域おこし協力隊」は、ひっそりと暮らせない

一番の理由はコレです。

そりゃそうですよね。仕事内容考えたら、人と絡んでなんぼ、地域を宣伝してなんぼです。

コミュ症はもちろん無理だし、体が弱い人も無理です。

プライバシーは無いに等しい

「地域おこし協力隊」の隊員になると、とりあえず自治体のサイトにフルネームと顔写真ぐらいは載ります。しっかり作りこむところだと、これまでの経歴や前の居住エリアまで載せたり、新聞が着任を記事にすることもあります。

要するに、移住の代償に本名顔出しでライフスタイルを売り込む感じなんですよ。SNSで顔出し名前出し余裕な人は気にならないでしょうけど、オンラインに情報出したくない人にはリスク高くないですかね。筆者がコミュ症すぎるんですかね。

地方公務員版「中途採用の契約社員」のような

嘱託職員で雇用という形になるらしいので、有期雇用契約で地方公務員になれるということですね。公務員試験無しでコレならいいかな、と思いがちですが、給料は15万前後だし期限はあるし。その後、自治体の職員にそのままスライドしていくパターンもあるようですが。

これが「いい条件」だと思えるかどうかは、その人のやりたいこと次第

合わなかったらキツイ

ブラック自治体は論外としても、自分の生活スタイルの好みが地域おこし協力隊の活動と合わなかったら相当キツイ、という意味で、それでも「その制度があるから移住を検討する人」が全ての移住検討者の何割いるのか。

ターゲットを絞り込みすぎな気がします。

ちょっと黒い言い方になりますが、地域おこし協力隊として着任し、途中で離脱するようなことがあったら、今後その地域で生活するのは気まずいでしょう。

地元でも地域活性に意欲のある人ほど関わりがあるから、どう思われるかは…まぁ察しがつきますね。そういうことです。

地域も隊員もそれだけのリスクを越えて頑張れるのであれば、先に自治体の広報にプロ広報枠とか作って、プロモーションを外注できるようにしたり、その地域の知名度を上げる方向でまず一致団結してもらって、それに合った企業誘致でも目指した方が効率良いんじゃないかなぁと思ってしまうのです。

地域おこし協力隊の知名度

みなさん、自分の自治体に地域おこし協力隊が何人いるか把握してますか?普通に生活してて隊員に遭遇しますか?顔知らなくないですか?

ネットで全世界に情報を公開しようとも当然ながら限界はあるので、なんぼ本名顔出ししたところで狭い範囲にしか知られてはいないんですよ。

知られてる範囲にはガッツリ知られててある程度の結果は出さなきゃいけないけど、一番知ってほしい範囲にはなかなか知られない。

また、この制度が始まってから実際に地域がおこせたパターンは存在するのかどうか、どういった尺度で地域おこしが成功したと判断するのか。

山口県の地域おこし協力隊事情

山口県のUJIターン支援サイト、「住んでみいね!ぶちええ山口」によると、本記事を書いた2018年10月現在は、下松市、周南市、山陽小野田市以外の全ての自治体で、計55人の地域おこし協力隊の方々が活動しているようです。

その55人の出身地を地方ごとに分類するとこんな割合に。

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山口県としての、全ての隊員名簿のようなものは見当たらなかったので、各自治体の公式サイトの記事から全員のプロフィールを調べました。

出身地が完全に不明、もしくは自治体公式サイト以外のソースしか見つからなかった12人については「不明」としてカウントしています。

まさかの1/4が山口県出身者

全体の24%(グラフの水色の部分)、約1/4が山口県出身者ですね。どういうことなのかというと、大半が一旦都会に出てUターンで帰って来た方のようです。

地域おこし協力隊は「地域要件」がありまして、簡単に言うと、前の住所が都会だった人ならOK、というルールがあるんです。

だから、東京や大阪で仕事してたけど、山口に帰ってきたよーって人はこれに該当。

地域要件は、厳密に言うと「3大都市圏をはじめとする都市地域等」に指定されたエリアに住民票があった人です。「3大都市圏」は埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、三重県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県で、これらの3大都市圏と政令指定都市が指定されています。

山口県→山口県のパターンもいた

地域おこし協力隊として移住したい地域が「条件不利地域」に指定されている場合、前の住所はどこでもいいから是非来てね!というルールにもなっています。

ということで田舎過ぎる山口県では容易に成立するこのパターン

県内最多14人の隊員を抱える萩市は全域が条件不利地域なので、山口県→山口県のパターンが6人もいらっしゃいました。

「条件不利地域」とは、過疎地域自立促進特別措置法山村振興法離島振興法半島振興法の対象地域のことで、山口県内で各法令の対象地域を塗りつぶすとこんな感じ。

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我が山口県は半分ぐらいの地域が「どこからでもいいからとにかく来て!!」という地域であることがわかりますね。

念のため書いておきますが、これ以外の地域は地域おこし協力隊を募集してないわけではないですからね!

基本的に山口県はどこも地域おこしをしてほしいんだけど、上記で色がついている地域は特にヤバいからお願いします!ってことですよ!

近場に移住したい人が多い場合、中国地方は不利なのでは

全体の1/3ぐらい(グラフの水色+青色)が山口県出身者と中国地方出身者の割合です。不明の割合を除いてカウントした場合、半数に迫る割合が中国地方出身者ということになりますね。

ここで1つ疑問。

元々地方都市のご出身で地域おこし協力隊を目指す場合、やっぱり地元に近いエリアを選ぶ傾向があるんですかね?

まぁ実家に帰る用事とかあった時に、めっちゃ距離あったらしんどいですもんね。

それだと中国地方はちょっと不利やな、と思ってしまうのです。中国地方最大都市は広島だけど、3大都市圏でもないし、そもそもの都市部の規模も他よりしょぼいから…。

具体的な例を挙げると、関東の場合は、地域おこし協力隊の地域要件をクリア出来る人数は多いですよね。1都6県のうち、半分以上が3大都市圏に含まれてるし。

で、地元に近いエリアの地域おこし協力隊を目指すのが主流だとしたら、栃木とか群馬、関東出たとしても山梨、長野あたりに流れませんかね。

地域要件をクリア出来る人が多いとはいえ、その地域から距離がある地域への流入はなかなか見込めないというのが現状でしょう。

そもそもこの制度の目的がよくわからない

地域おこししようと思ったら、まず人がいないことにはどうにもならんでしょ。

人を呼ぼうと思ったら一極集中の大都市から仕事を地方に分散してもらわないと人が移り住めない、人がいなければ経済が回せない、地域の活性化につながらない、地域がおこせない…。

とりあえず、山口県だけの話をすると、若い人が山口から出ていく理由をしっかり考えた方がいいんじゃないかな。

学校が少ないのはまあしょうがない、例え東京の人でもやりたい学部が地方にしかなかったら、地方の大学行くだろうし。

問題はその後。東京の人は東京にたくさん仕事があるから、卒業後は安心して東京に帰って来れるんですよ。

山口に帰って来ない理由の一つは絶対コレ。若い人がやりたい仕事が山口に無い

名前が違ったらまだ納得できる

いろいろ調べたら、「地域おこし協力隊」という名前が混乱の元なのでは、ということにたどり着いた。

地方民俗文化支援員登用制度」みたいな名前で、制度の一環として各自治体が地域の民俗文化を保護・継承していく人員を登用します、とか言ってれば納得してたかも。

先ほど挙げた「住んでみいね!ぶちええ山口」によると、地域おこし協力隊は、

市町・県等の地方公共団体が、都市住民等を受け入れ委嘱。地域おこし活動の支援や農林漁業の応援、住民の生活支援など「地域協力活動」に従事し、あわせてその地域への定住・定着を図りながら、地域の活性化に貢献するものです。

だそうなので、その地域の「地域おこし活動」とやらがまず定住者を呼び込める活動で無ければもう残念な結果しか待ってないわけですわ。

地域おこし協力隊が有期雇用の地方公務員として定住・定着したところで年に何名の話よ。協力隊が「協力」出来る業務内容が残念だったら、ホリエモンとかヒカキンレベルの人が来ないと無理じゃない?

「応援」「支援」でモヤっと済まされてるけど、後継の少ない業種に就いて、住民の少ないところに住んで、それっぽいイベントの時はお手伝いしてね、というのが多くの実情である以上、「地域おこし」よりも「地方民俗文化支援」の方が語感は固くてもしっくりくる。

まとめ

  • ひっそり暮らしたい
  • そこまで田舎じゃなくていい
  • 普通に会社員したい
  • 近所づきあいはほどほどでいい
  • 体が弱い

このような人には移住の選択肢として「地域おこし協力隊」はおすすめ出来ません。むしろ地域おこし協力隊になろうってぐらい行動力ある人は大丈夫なんですよ。自分で切り拓く能力が十分備わっていて、元気に過ごせる余力もあると思うので。

そうじゃなくて、田舎暮らしにそんな大層な思い入れとかないけど、とにかく都会から一歩離れたい人、人が少ないところで暮らしたい人、静かな地域で療養したい人、地震などの災害に疲れた人が気軽に好きなところへ移住出来ることを目的としているので、オフトナイズではこういった自治体絡みの移住方法は取り上げていません。

そういう人たちの選択肢になれるように、企業のお偉いさん方、地方にバックアップ支店を作りませんか?

山口の若者が帰ってこれるように、都会の方もキャリアを続けやすくなるように、地方にもお仕事くださいー!!

おしまい