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クレムリンの歌う兵器、不屈の軍楽隊「アレクサンドロフ・アンサンブル」の職人芸っぷりを力説したい ②合唱団は肺活量オバケの集まり

kappra01 日記
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前回、アレクサンドロフ・アンサンブルの説明だけでアホみたいに長い記事になってしまったので、今回はちゃんと職人芸の話するよ。

私のサポート時期は2016年前後~現在。ロシア語能力ほぼゼロ、共産趣味はありません。ニワカなので、肩書や経歴などは全て頭に「たぶん」をつけて解釈してください。翻訳ミスった状態で見聞きしてるかもしれんので…

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肺活量の化身、ミスターカリンカ

アレクサンドロフ・アンサンブルで、というか、もはやロシアの軍楽隊で一番有名と言っても過言ではない「ミスターカリンカ」ことヴァジム・アナニエフさん。

この人が「ロシア軍楽隊=肺活量」みたいなイメージを与えたようなもん。「ミスターカリンカ」って呼ばれてるぐらいなので担当曲の筆頭が「カリンカ」がでね、彼のパフォーマンスがすごすぎて、カリンカのイントロでたまに他のソリストが登場すると、会場に若干のがっかり空気が流れるレベルのレジェンドなんよ。

そもそも、「カリンカ」知ってる?とりあえず見てもらった方が早いかも。

時間無い人、とりあえず3分半ぐらいのとこからでもいいから見てみて。

この曲、Aメロの入る前に「アーーーァ~~~~~~」ってロングトーンからスタートして、2小節分ぐらいのロングトーンが何回も登場するするんだけども、何度もロングトーンやってるのに3番のAメロ前のロングトーンがめっっっっっっっっちゃ長い。ウソみたいな美声で30秒ぐらいやってる。

この名人芸が唯一無二すぎて、他の人のカリンカが物足りなくなってしまうのだよ。しかも、ミスターカリンカは歴代エースが踏襲していく方式なんだけどさ、このアナニエフさんはすでに30年ぐらいミスターカリンカに君臨してるので、もはやロシアの若年層とかミスターカリンカ=アナニエフさんになってそう。(ちなみに、先代はヴァシリー・シュテフッツァさん。この人も大概ヤバい。すでにキャリア晩年でもコレ。)

TVでもよくカリンカを披露するんだけど、常にオーケストラがバックにいるわけではなく伴奏は録音音源の時がある。その場合はだいぶ余裕残して歌ってるけども、この動画のようにオーケストラがバックにいる時のタイミングはミスターカリンカ次第なので、あまりに長い時は指揮者が一旦諦める。笑

指揮者がミスターカリンカの様子を見て、そろそろだなってタイミングでオーケストラを始動させるわけよ。どんなスタイルww

このカリンカが有名すぎて他に焦点当てられない傾向あるけども、他の持ち歌もだいぶエグい。

彼は普段、アレクサンドロフ・アンサンブルのソリストと別に普通の(普通とは)オペラ歌手としても活動してるのよね。

ということで、アレクサンドロフ・アンサンブルの公演でも、他のソリストとイタリアンオペラメドレーを披露することがある。

35:17ぐらいから「フニクリ・フニクラ」をソリスト3人で歌ってるのでぜひ聞いてもらいたい。右の2人もロシア内外で活躍してきたエース級のソリストなんよ。そしてこのコンサートは全員参戦だったので合唱団もフルで60人ぐらいいた。

それにもかかわらず、一番最後のサビ、ミスターカリンカのハイトーンボイスがバリ目立つってどういうこと…?1対60で埋もれない声ってなんぞ…?

いよいよミスターカリンカともなると自分の力をわきまえてるので、ゲストでオペラ歌手とかじゃない歌手と一緒に歌う時はだいぶ出力を絞るんよ。全開で歌ったらかき消しちゃうから。ミスターカリンカが本気出したら全てを無にしてしまうので、超人も超人なりに気を遣うんです。しらんけど。

こんな感じでソリスト1人1人語ってたらページ開かんぐらいの大ボリュームになるので、ソリストは一旦ミスターカリンカを代表として書いたところで止めておくね…。

大人数のアイドルグループでの「推し」の概念を理解する

大人数のアイドルグループ(ロシア軍)

いやさすがにアイドルとは言わないけど、特定の団体の中の個人を推したくなる気持ちはすごくわかる。48人とか46人とかいるアイドルグループのファンはこんな気持ちなのだろうと。(なんか怒られそう…)

アレクサンドロフ・アンサンブルのレパートリーには、ソリストなしで合唱団主体の軍歌ヒット曲メドレーがありまして、合唱団員がたくさんカメラに映るこのタイミングでいろいろチェックするわけよ。(チェックて)

ちなみに、そのメドレーの曲順はこのようになっております↓

  1. Мы – армия народа
  2. Три танкиста
  3. Песня артиллеристов
  4. Марш авиаторов
  5. Дорога на флот
  6. Космические войска ※
  7. В путь

日本語タイトルは、上から順に「我ら人民の軍」、「3人の戦車兵」、「砲兵の歌」、「航空行進曲」、「艦隊への道」、「ロシア宇宙軍の歌」、「進め」らしいです?ネット上でよく見かけるタイトルは大体コレだけど、なんかちょっと違うパターンもあるっぽい。ようわからん。

6のКосмические войскаは、宇宙軍が空軍に統合されてしまった都合なのか近年では歌ってなくて、5の後すぐ7に繋がります。

推しを探してキャッキャする

合唱団の立ち位置は、左側にテノール第1、中央にテノール第2~バリトン、右側にバスの3段階。キャリアの長い人や特殊な担当がある人は大体立ち位置が決まってるけど、その他は微妙に毎回立ち位置が違うんよ。

その理由は、合唱団は入れ替わりが激しいので、ものの数か月でいなくなったり、兵役が来たり、両端にソリストが加わったり、と結構出入りがあるので、特に前列中心に割と毎回立ち位置が変わる。あとは30年ぐらい在籍してるような超絶ベテラン勢は出たり出なかったりなので、それによっても変わる。あ、あとはアレや。身長の高い人はベタに最後列に固定されがち。

これだけ立ち位置の変わる大人数でどうやって推しを発掘するのかと言うと、会場のマイクの位置。彼らのホーム劇場ともいえるぐらい公演回数の多いチャイコフスキー・コンサートホールは、ほぼ毎回マイクの位置が一緒なんだけど、違う場所でやる時は会場や人数に応じてマイクの位置が違うわけよ。

マイクの位置が違うと、いつもと違う人の声が大きく聞こえたりすることもあって、思わぬ美声を発見出来たりするんよね。しかも、合唱団のその日の出勤(?)メンバーによって立ち位置が違うので、同じチャイコフスキーホールでも並び順が違う日とか、別会場だったり人数がいつもと違う日とかは楽しみ。

あとは慰安などで少数精鋭の時も狙い目。合唱団の中から選抜で6人ぐらいだけ参戦とかだと、それぞれの声や歌い方がよーくわかるので、そういう小さいコンサートほど面白い。

こちらはチャイコフスキーホールじゃない会場で、いつもより若干人数が少ないおかげで発見できた推し、アンドレイ・アンドリヤノフさんの動画。

3:05ぐらいで一番左端に映る彼、普段はこんなマイクの目の前にいないんだけど、この立ち位置と彼の歌い方のクセのおかげで、ハリのあるのびやかボイスが確認出来た。

この際もう伝わらなくてもいいけども、最後のロングトーンになるサビの「клен зеленый」の部分、彼だけзеленыйのлеがちょい長いんよ。イヤホンつけて左側の音に集中しながら彼の口の動きとか見てもらうとわかりやすいと思う。最初イヤホンで聞いとって、「Раскудрявый」の「ку」のロングトーンの部分で「うおーええ声おるなぁ~」と思って何回も見返して一生懸命歌い方のクセから探した。

彼以外にも、表情豊かだったり、指揮者に忠実だったり、やけに楽しそうだったり、目に留まる人はたくさんいる。公式サイトの改装前は一生懸命顔を覚えてVKっていうロシア版FBでお名前を探したりしてたけど(狂気)、今はメンバー表があるのでだいぶ助かってます。

みんなの顔を覚えたところで、見覚えのない人が登場すると「誰やこれ?!若そうだし坊主っぽいから兵役かな?」とかチェックするわけですよ。もう完全に大人数のアイドルグループガチ勢と大差ないっしょこれ…どうする…?めっちゃ楽しいよね。←

そんなこんなで合唱団員の個人個人を狙って歌声を聞いてみても、マジで全員が全員そんなレベルなの?!ってぐらいの実力者揃い。まぁ声楽専攻の集まりだから各々歌唱力はあるやろうけど、歌唱力ガチ勢を集めるとすごいことになるんだなっていう。(小並感)

本当は1曲ごとに合唱団のココを聞いて!すごいから!とか力説したいんだけど、また長くなるからタイミング見て放出します…。

ということで、合唱団編は以上。

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