井端さんの話したら荒木さんの話にもなるよね。
ということで、今回愛でる選手は中日黄金期の鉄壁セカンド、荒木雅博選手。
黙々と努力を重ねる男
荒木さんは熊本県出身。
寡黙で謙虚というイメージ通りの熊本人(私の勝手なイメージ)。少なくとも、器用に立ち回る世渡り上手と言うよりは、不器用でもコツコツ積み上げていくイメージ。
22年の現役生活で、6度のゴールデングラブ賞、盗塁王(球団最多378盗塁)、2000本安打も達成した「走攻守Sランク」の名選手だけど、実は下積み時代が長かった荒木選手。足こそ当時からチーム1の速さだったものの、バッティングがダメすぎたそうな。
どれぐらいバッティングが残念だったかというと、2000本安打目前でTVで特集された際、最少本塁打数での2000本安打達成者になりそう、ということでまとめられたコレ。
右上には「33本しかないHR 全部見せます!」の文字。
「33本しかない」という微妙なディスられよう…!確かに少ないかもしれんけどさ…もうちょっとさ…!
ホームランバッターではないけども、入団当時はダメだと言われたバッティングで2000本安打を達成したのは、素直に荒木選手の努力以外の何物でもない。それをホームランは33本「しかない」とは何事ぞ。あの手この手の小技で安打2000本も打ってりゃ上等やろうが。
ちなみに、入団当時の中日はミスタードラゴンズがセカンドに君臨してた時期で、守備が良くてもなかなか内野手としてのスタメン起用が難しい状態だった。さらに、同世代の内野手は後にコンビとなる井端選手を筆頭に、森野選手、福留選手(外野コンバート前)と守備だけでなくバッティングの評価も高い選手ばかり。
それでもこの中で2000本安打達成は荒木選手と福留選手(日米通算)だけと思ったら、想像を絶する努力で、バッティングが高評価の選手に引けを取らないぐらいの実力を積み上げてきたということがよくわかるだろう。
こんだけの努力家をつかまえて「33本しかない」とは…!(相当ショックだったらしい)
俊足すぎて、最終的に「駿馬」が「ペガサス」に進化
そもそも一番の売りは「足」だった荒木選手。
荒木選手の足で有名なプレーと言えば、球団最多盗塁も記録した走塁技術と、(井端さん曰く)後にも先にも出てこないぐらいのキレイなヘッドスライディング。
中日ファンの間ではさぞかし有名な、「神走塁集」の動画がこちら。
控えめに言って人の倍走ってるっしょこの人…
一般的なシングルヒットの間に普通のランナーが1つ塁を進めるとしたら、荒木選手はその間に2つ塁を進められる。基本的に盗塁前提レベルの走塁を見せるので、先頭バッターで荒木選手が出塁して次の井端選手がシングルヒットを打ったとしても、なぜか次の立浪選手が打つ時にはランナー1塁3塁になってることも。
なんなら、荒木選手が1塁にいて井端選手がツーベースを打ったら、もう荒木選手はホームに帰ってこれちゃうわけよ。異様な走力っしょ…。「行け!」って指示出す3塁コーチャーも大概だと思うけども。笑
実際、3塁コーチャーの指示に荒木選手も「嘘だろォ!!!」って言いながら3塁ベースを蹴ってホームに帰ったこともあったそうな。(で、間に合うのがすごい)
動画の一発目のやつも、1塁から井端選手のシングルヒットでホームまで帰って来れちゃったからね。通常の走塁が塁2つ分で、ファインプレーだと塁3つ分って。次元が違う。
井端選手の回でも書いたけど、こんだけ走ってくれるならもう「繋ぎさえすれば」って思うよね。粘り倒せばその間に盗塁してくれるかもしれないし、井端選手が出塁する前に荒木選手が2塁まで進んでおいてくれれば早くも1点が見えてくるわけだから。そら荒木選手の走塁技術を見たら、意地でも粘ってやろうって思っただろう。そもそも右打ちの名手で粘れるなんて、荒木選手の走塁技術と相性が良すぎる。
一番ヤバかったのが、荒木選手が1塁にいて、井端選手の打席で盗塁企図(井端選手は荒木選手がチラッとでも動くと「クセ」でバットを止める)→敵が慌てて2塁を刺すも送球ミス→荒木選手2塁通過→3塁も蹴ってバックホーム成功。←なにこれ?
もはや井端選手がヒットを打たなくてもホームに帰ってこれてしまう駿馬。
って、まぁまぁまぁ若い頃はね、そら足が売りなら元気いっぱい走るよね、
…と思いきや
引退1年前の2017年、当時40歳目前の荒木選手。ほぼ40歳がこの速さで走れて、こんなキレーなヘッドスライディングで飛んでくるってヤバいっしょ…
下手したら俊足ルーキーの京田選手より速いぞこれ…
ほんで今も昔も変わらぬキレイなヘッドスライディング。地面と完全に平行に飛んでくる、まさしくペガサス。それでいて、きっちりキャッチャーをかわしてホームベースにタッチしてるんだからエグい。
まっすぐ飛んでくるだけでもケガしないようにするのって技術がいると思うけど、荒木選手の場合は大体外側からキャッチャーの足の間を狙うように反時計回り気味に小回りしつつ飛んでくるのがヤバいよね。仮に、スーパーマン的にマントで飛べたとしてもその動きはなかなか出来ないと思う。
とにかく顔に出る男
そんな努力型ペガサスはさぞかしお堅いタイプなのかと思いきや、表情豊かな天然系。
まずは、なぜか照れまくりだったこちら。不思議ワールド全開です。
ものの1分見れば十分な不思議っぷりである。
趣味は「トランプ」で、1人でも何か編み出したり…するらしい…です…?
はっきり言うのもアレだけど、基本的に、あの…
ね、根暗…的な…(小声)
また、グラウンドに正座してちっちゃくなりながらグラブをごそごそしてるところを激写されてしまったり、何と言うか、1人でも楽しそう。(語弊)
試合中、あわやお見合いになりかけたアライバ。
実は、アライバの間でお見合いになりそうな時の決まり事があるらしく、基本的には捕る方が声を出すらしいんだけど、聞こえない場合があるので、その時は井端さんがジャンプするから荒木さんはジャンプするな、と井端さんから言われていたらしい。
これを聞くとすごい納得するこの荒木選手のリアクション。
「あぁあああお見合いになりそうだから俺は跳ばない、跳ばないいぃぃ!!!」で井端選手がキャッチしたんでしょうねコレ。笑
とにかく全てを全身で表現する男。跳ばないどころかしゃがむ勢い。
アライバ不仲説
現役時代から、引退した今でもちょいちょいささやかれる不仲説。
これね、ほぼ立浪さんのせいだと思う。(えっ)
38:00頃の第3位からどうぞ。
立浪:コンビネーション見てたらすごく仲良いと思うでしょ。これがあんまり仲良くなかったんですねぇ。だから(アライバを)呼んで、もうちょっと仲良くやれって言ったことありますもん。
この番組だけでなく、他でも「アライバは仲悪い」という話をされてます。私が見ただけでも3つの番組でアライバ不仲説を言ってる(もはやちょっとした持ちネタ化してる)のを確認したので、世間に不仲説が浸透してしまったのでは。
立浪さん、みんな思った以上に信じちゃってるよ!!!ww
井端さんが引退後に急にデレるようになったのも、これが原因ではなかろうか。
若い頃はまぁ「アライバ仲いいねぇ」って冷やかされて(?)、主に井端さんが「そんなことないスよ」とか返してたみたいだけども、不仲説が広まって以降は、トークイベント等で「アライバ仲悪いって聞いたことあるけどどうなの?」って質問されると、井端さんは「奥さんと何年も一緒にいたら、会話が無くても何でもバッチリ出来るようになるでしょ?それと一緒。」って毎回説明するんだって。
各地で「荒木さんは最愛の奥さんと同格です」って説明しちゃう井端さんで、全国のアライバファンは無事死亡したと思います。
荒木さんサイドは、というと
アライバ式ゲッツー風アウトが成功して、お互い「好き♡」って思うことは?と聞かれて、井端さんはきっぱり「ない」と答える一方、荒木さんは「僕はありますよ」と回答。
この頃はまだ井端さんが「ツン」の状態で、荒木さんの方が素直に井端さんリスペクトだったので、井端さんが荒木さんの好きなところを聞かれて「全部です」って答えた時は、それはもうめっちゃ嬉しそうだったよね。
若い頃ほど荒木さんの方が「井端さんすごい、僕は井端さんのために…」ってTVやヒーローインタビューで大リスペクト発言してたのが、年齢を重ねるにつれてだんだん井端さんの方も負けじと「荒木すごい、荒木のおかげで…」みたいになってきたのがまたアレ。(語彙)
荒木さんの場合はもうとにかく顔に出まくるので、たとえ試合中だろうが嬉しそうなときはめっちゃ嬉しそうだし、「井端さんありがとう、井端さんすごい」の時は全力でその顔をしてるのでほっこり。ある意味大変わかりやすいのでホワホワするよね。
アライバ編、改めて書いてしまった
アライバをまとめて書いたら長くなりそうだから、と思って荒木さんと井端さんで分けたけど、分けたら分けたでやっぱり書き足りなかったので結局書き直したよ。
じゃ、最後は荒木さんの「だっふんだ」で…