何を隠そう、007シリーズの大ファンなんだよね。
今回はイギリスが誇る名作映画007シリーズと、そこから見えるイギリス人男性のジャケット文化について書くよ。
歴代ボンドで誰が一番いいのか問題
まずはボンドファンの間で永遠に語られるこのテーマを軽く流しておこうかね。
私の持論は「誰が一番とかじゃない」です。「みんな違ってみんないい」精神やで。
そもそもライトな映画ファンなので、ストーリーが相当意味不明とかじゃない限り、基本的に文句は無いんだよね。007に限らず。
むしろコアな007ファンは、どうも各作品や歴代007俳優の優劣をつけて、嫌いな部分ははっきり「嫌い」と言う傾向があるので、そっちの方が私は苦手…(小心者)
まぁ歴代007のキャラはみんなそれぞれ魅力的なので、世界的な人気シリーズとしてここまでずっと続いてるのではないかな。
違う意見の人もいっぱいいるだろうけど、私の各ボンドの印象はこんな感じ
ショーン・コネリー | 色気と余裕を見せる大人ボンド |
ジョージ・レーゼンビー | 人間味のある心優しい常識派ボンド |
ロジャー・ムーア | コミカルで女性に優しいお茶目ボンド |
ティモシー・ダルトン | 芯が強くて攻守バランスのいい優等生ボンド |
ピアース・ブロスナン | チャラいキャラに反してキレッキレの武闘派ボンド |
ダニエル・クレイグ | 冷血硬派で若干問題児なサイボーグボンド |
ボンド俳優が消すのに苦労する「ボンド感」
ボンドと言えば、タキシードでカジノに登場するシーンが1度はあるよね。
バトル中もスーツを整え直すシーンがあったり、とにかくキチっとした服装がトレードマークのジェームズ・ボンド。
ボンド俳優たちは007の世界的人気のおかげで「ボンド感」が出やすいので、他の映画での衣装はかなり気使ってんだろうな、と思う。
Before he was James Bond, Daniel Craig was XXXX in Layer Cake (2004).#L4yerCake #MatthewVaughn #SiennaMiller #2000s #LayerCake #Film #Cinema pic.twitter.com/1OIjL4drOv
— Love Film Festivals (@filmfest) January 31, 2018
例えば、映画「レイヤー・ケーキ」でのダニエル・クレイグ(上)や、TVドラマ「セイント」のロジャー・ムーア(下)など、当時は両方とも007に出る前だったからよかったものの、今となってはなんかボンドっぽいっしょ。
「ボンド感」の正体は何だ?
ズバリ「ジャケット着てるから」ということが一番大きな理由だと思う。
今「こいつアホか」って思った?まぁ聞きんさい。笑
ダニエル・クレイグが「ドラゴンタトゥーの女」でスウェーデン人役を演じた時(画像)や、ピアース・ブロスナンが「ライブ・ワイヤー」でアメリカ人役を演じた時(画像)はだいぶボンド感が薄いでしょ?
ダニエル・クレイグの場合は、俗に言う「北欧スタイル」、ニット素材のアウターとマフラーに暗めの色で統一したシンプルスタイル。メガネ+ひげ付。
ピアース・ブロスナンの場合は、無地のポロシャツの上に仕事ジャケット(FBI)をざっくり羽織る+ジーンズという仕事着にしちゃラフなアメリカンスタイル。さらに、長めのラフな髪でガム食べてたよね。笑
こういう「お国柄ファッション」のイギリス版が「ジャケット着用」なんじゃないかな。
だからジャケット着てる時点で「イギリス感」は出るし、それがテーラードスーツともなれば簡単に「ボンド感」が出ちゃうわけですわ。
同じヨーロッパ人ですら思う「イギリス人男性、大体ジャケット着てる」説
ヨーロッパ人の友人(イギリス人ではない)からこの説を聞いて「面白い着眼点やな!」と思い、それ以降イギリス人男性のファッションチェックが癖になっちゃったんだけど、マジでみんなジャケット着てるんだよね。
普段よく見るものと言えば、洋画とF1ぐらいなんだけど、洋画に出てくるイギリス人役は大体ジャケット着てるし、Sky Sports F1とかChannel 4もコメンタリー勢は結構ジャケット率高い。007だけじゃないのね!
その友人曰く、一般人レベルでも他の国に比べてイギリスはジャケット着てる人が多いと思う、との事。
イギリスは伝統や品格を重んじるお国柄だと思うので、ジャケット着用みたいなキチっとした服装が「カッコいい」んでしょうね。「大人の男は黙ってジャケット」よ。
たとえカジュアルな服装と言えど、Tシャツ1枚よりは、Yシャツ的な襟のあるキチっとしたものを着る。それがイギリス。(たぶん)
大人気すぎてコメディに使われまくる007
さて、ジャケット話は一旦置いといて、007に関する小ネタをひとつ。
歴代ボンド俳優にとって007は最強の武器。ボンドのイメージがついてしまうことを嫌がるボンド俳優もいるけど、あえてそれを逆手に取ったのが、コメディ映画の「ボンドネタ」。
ボンド俳優だからこそ面白い「本人パロディ」。みんな割とノリノリでパロディを演じたんじゃないかね。
そして、パロディネタに合わせて必ず流れる「007風のBGM」がまた面白い。うまいこと「007をちらつかせる程度」のBGMになってるんだよね。
いくつか例をご紹介しよう。
まずは本物の007
全ての元凶の元凶。シリーズ最初からずっと使われ続けている不変のメインテーマ。
キャノンボール(1981)
それを踏まえて出来上がったパロディがこちら。
「アメリカン・ショーン・コネリー」と言われるバート・レイノルズが主演した「キャノンボール」という映画にロジャー・ムーアが本人役で出てるんだよね。
厳密に言うと、スパイ映画で人気の俳優「シーモア・ゴールドファーブ.Jr」役で、そのシーモアの芸名が「ロジャー・ムーア」。
元々コメディは割とやるタイプなので、ロジャー・ムーアとしてはコメディ映画に出演することは平常運転。それよりも、現役で007に出演してた期間中(1973-1985)にこの作品に出演した、ということがすごい。
ちなみに、劇中でロジャー・ムーアが乗っているのは、ボンドカーとして有名なアストンマーティンDB5という車なんだけど、実はDB5に限らずアストンマーティンの車がロジャー・ムーアのボンドカーになったことはないんだよね。
バート・レイノルズの他、ロジャー・ムーアやジャッキー・チェンなど、超一流の俳優陣による「スパロボ状態」のコメディ映画で、エンディングのNG集がめっちゃ面白いので1回見てみそ。
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ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション (2003)
こちらは4代目ジェームズ・ボンドのティモシー・ダルトンが出演しているコメディ映画。
主人公の父親役で、「スパイ映画で人気の俳優だけど実は本当にスパイ」という設定。
肖像画や映画のポスターなど、小道具がかなりボンドを意識して作られていて、思わず「ニヤっ」とするヨ。
ルーニー・テューンズ バック・イン・アクションもU-NEXTで配信されてて、あのクールなティモシー・ボンドがめっちゃコメディに順応してるのでぜひ見てみて。(懇願)
ジョニー・イングリッシュ (2003)
もはや007本人ではないんだけど、コメディと言えば「英国コメディの帝王」ローワン・アトキンソン。
実は彼の映画デビューは、ショーン・コネリーのボンド復帰作、「ネバーセイ・ネバーアゲイン」なんだよね。知ってた?
ということで、この「ジョニー・イングリッシュ」シリーズは、007をベースに作ったコメディ映画で、007で実際にあったシーンのパロディやオマージュが盛りだくさん。
今ではすっかり人気シリーズとなり、2018年には待望の3作目が公開されたよ。
本人パロディと言えば、2作目の「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」に「ダイ・アナザー・デイ」のボンドガール、ロザムンド・パイクが出演して話題になったけど、3作目には「ジェームズ・ボンド 慰めの報酬」のボンドガール、オルガ・キュリレンコが出演したんだよね。
そろそろ歴代ボンドの誰かが登場してもいいんじゃないかしら。(期待)
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「007で見たぞ!!」ってネタがいっぱいなので、小ネタまでしっかり見てみてね!とりあえず、ローワン・アトキンソン×極秘任務の時点で嫌な予感しかしない。そして本作で復活のボフ、超いいやつ。
ボンド俳優はCMすら007風
こちらは5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナンが出演しているVISAのCM。
もうね、これほんの一部だけど、この人が出るCMはほぼ007風のCMなのよマジで。笑
なんなら007引退した後もCMだけはなんかずっと007風。むしろすごい。
しかも現役時代はそれらと別件で、正式に007がタイアップしたCMもやってる。
正式に007として出てるだけあって、ちゃんと名乗るし曲も本物。「Q」も登場する。
ボンドこそイギリスの伝統
長期に渡って人気シリーズとなったおかげで「ジェームズ・ボンド」のイメージがかなり固定された為、スーツ着用+銃か車、そして「それっぽい曲」さえ流れれば「ボンド感」が出せる。
そして、てっきり映画の中だけかと思ったら、一般人レベルでキチっとした格好が標準のイギリスにちょっとびっくり。別に007のせいでイギリス人男性がジャケット着てるイメージがあるわけじゃなかったんだね。
まぁ世代によってジャケット着用率が低かったりはあるんだろうけど、少なくとも他のヨーロッパの国よりは「ジャケットを着てる国」と認識される着用率なんでしょう。
実際にイギリスに行ったことが無いので、もし行く機会があったらよーく観察してみよう。
おしまい
イギリスがボンドならアメリカは…?