007書いたらミッション・インポッシブルも書かないと。
「ミッション:インポッシブル」と言えば、トム・クルーズだよね!
いや違うよ!!!!
「ミッション:インポッシブル」と言えばピーター・グレイブス、そう、TVドラマ版「スパイ大作戦」の方やで!
「おはようフェルプスくん」
これ脳内再生出来た人は同志です。
映画版「Mission:Impossible」の元になったTVドラマ版「スパイ大作戦」が日本でも放送されていたことはご存知でしたかな。
何なら今でも毎週火曜18時からBSジャパンで再放送されています。
今まで2年も3年も放送してたくせに、記事書いてから1か月ぐらいで終わりやがった…!
ピーター・グレイブスのIMF貢献っぷり
主役の「フェルプスくん」こと、ピーター・グレイブスはなんと、スパイ大作戦の第2シーズン(1967年)以降、新スパイ大作戦が終了する1990年までずっと、IMF(Impossible Mission Force)実行班のリーダー役を務めてきた。
どれだけの期間なのか007で説明するとこんな感じ。
Mission:Impossible | 放送期間 | 007 |
スパイ大作戦
(第2シーズンから) |
1967-1973 | ショーン・コネリー |
ジョージ・レーゼンビー | ||
ロジャー・ムーア | ||
放送無し | 1974-1987 | ムーア/ダルトン |
新スパイ大作戦 | 1988-1990 | ティモシー・ダルトン |
放送がなかった13年を抜いても、MI6でボンドがこれだけ世代交代した間、IMFではずっとフェルプスくんが頑張ってたんだよね。
ちなみに、ピーター・グレイブスはスパイ大作戦に登場した時点で当時41歳。
ティモシー・ダルトンやピアース・ブロスナンが007になった時と同じぐらいの年齢でフェルプスくんを演じ始め、23年後にようやく引退。
引退時点で64歳。最年長ボンドのロジャー・ムーアでも58歳で引退なので、驚異のエージェントだったことがわかるね。
そんなフェルプスくんが泥を塗られるとは…(ネタバレあり)
トム・クルーズが主演する映画、ミッション:インポッシブルシリーズしか見たことない人でも「フェルプス」という名前に聞き覚えはあるんじゃないかな。
そう、1作目の映画版ミッション:インポッシブル(1996年)の時の「悪役」なんだよね。
IMFのリーダー「ジム・フェルプス」が実は裏切り者、というストーリー。
百歩譲ってイーサン・ハントのチームのリーダーが裏切り者だった、という設定はええわい。
その役になぜ「ジム・フェルプス」という名前を残した…?
というのも、そもそもスパイ大作戦ではメンバーの入れ替わりが割と激しかったんだけど、007のようにジェームズ・ボンド、M、Qなどの役を引き継いでいくスタイルではなく、主要メンバーでもキャストが変わったら役名も変わってたんだよね。
スパイ大作戦のジム・フェルプス役はピーター・グレイブス、映画版ではジョン・ヴォイトが演じたんだから、せめて「ジム・フェルプス」の名前は変えろや!
「今後、ミッション:インポッシブルはジム・フェルプスじゃなくて、イーサン・ハントになりますよ」って言いたかったんだろうね。
イメチェンというか、世代交代をはっきりさせたかったのはわかるけど、長年頑張った「ジム・フェルプス」という役にもうちょっと配慮とかなかったんかね…
【映画版Mission:ImpossibleシリーズはU-NEXTで配信中!】
当時は「団体戦」が一般的なアメリカンスタイル?
ところで、007はゲストこそいるものの、基本的にMI6本部のバックアップをうけつつの単独行動だけど、IMFは基本的に全員が前線に赴く「団体戦」。
何故なのか?
アメリカは多民族国家で、日本よりもはるかに人種観念が洗練されている為、特定の人種が単独でヒーロー、悪役を演じるのは固定観念が付きかねないので避けることがある、と聞いたことがある。
だからアメリカではパワーレンジャー(日本で言う戦隊モノ)形式が標準で団体戦になる傾向が強く、また、必ず人種混在チームであることが一般的だったのではないだろうか。
スパイ大作戦でも、フェルプスくん以外のメンバーは入れ替わりが激しかったけど、バーニー役のグレッグ・モリスとウィリー役のピーター・ルーパスは固定だったので、人種バランスを考えたキャスティングだったんだろうね。
ちなみに、新スパイ大作戦の時は、フェルプスくん以外はバーニー、ウィリーを含む全キャストが一新されたけど、上の画像の一番左、なんとバーニーの実の息子で、同じく俳優のフィル・モリスがバーニーと同じポジションの役でキャスティングされたよ。(コネでもなんでもなく、ただの偶然らしい)
それが映画版で一転
映画版「ミッション:インポッシブル」では、1作目の最初こそスパイ大作戦と同様だったものの、その後はイーサン・ハントが主体で動き、他のメンバーは部分的にしか前線に出てこない、007に近いスタイルになってきてるよね。
映画化するにあたって、絵的にもストーリー的にもわかりやすく派手にする必要があったのかな。
スーパーマンやキャプテンアメリカのように、変身してどうこうとか、特殊能力がある場合は、むしろ単独行動のヒーローとして描かれることが多いので、ミッション:インポッシブルも「ヒーロー」としてわかりやすく描きたかったのかな。
任務の遂行方法もスパイ大作戦の「敵に気付かれないようにみんなでうまくハメて、敵が狐につままれたような状態で終わる」スタイルから、普通に「正面からバトルしに行ってキッチリ倒す」スタイルになってるもんね。
小ネタ:神回、第5シーズン「『怪物』粉砕作戦」
まぁ映画版とTV版の比較はここまでにしといて、ここからはTVドラマ版の小ネタをひとつ。
日本人なら総ツッコミする神回、第5シーズンの第7話「『怪物』粉砕作戦」のご紹介。
変装のエキスパートであるパリスが、日本人「ナカムラ・タイゾー」として日本に潜入します。
1970年代、ネットもない時代で、アメリカにとって日本はかなり謎の国だったことが伺えるね。セットや習慣など、見よう見まねで頑張ったものの、文化が違すぎて制作側の苦労が前面に出た神回だった。畳の上をスリッパで歩いちゃったりしてるしね。
それでも当時のアメリカの視聴者は、特に違和感なく「あー日本ってこんなだよねー」ってなったんかな?それだけちょっと気になる。
ちなみに007でも畳と障子貼りの風呂場が登場したことがあるから、やっぱ世界的に当時は「極東に不思議な文化の国がある」ぐらいの認識だったのかもね。
なんやかんや言いつつ映画版もちゃんと見てるよ!
今回はTVドラマ版ミッション:インポッシブル、「スパイ大作戦」のお話でした。
言い訳がましくなるけど映画版が嫌いなわけじゃないよ!!トム・クルーズも好きだよ!!
何作も続くガチアクションのスパイ映画はやっぱり名作だし面白い。
今回はTVドラマ版の方に主軸を置いて比較したから、なんか批判してるっぽくなっちゃったけど、TVドラマ版でも映画版でも「ミッション:インポッシブル」はアメリカを代表する名作。
しかも映画版のミッション:インポッシブルは007よりはるかに公開ペースが早いからうれしいよね!
先日も「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」を見たんだけど、とにかくトム・クルーズの変わらなさにびっくり。
もう6本目だけど、彼ならロジャー・ムーア以上に長くイーサンを続けられそうなので期待。
まぁ、今では「ミッション:インポッシブル=映画」というイメージが強いと思うので、これを機にTV版の知名度も上がればいいな。
基本的に1話完結なので最初から見始めなくても大丈夫やで!
※今は動画配信もやってなくて、DVD購入(もしくはレンタル)以外だとスカパーの「スーパー!ドラマTV」ってチャンネルでしか放送してないっぽいのよね。気になる人はスカパーで見てみてね!
おまけトリビア
大人気スパイシリーズであるミッション:インポッシブルと007。
実は、ジム・フェルプスとジェームズ・ボンドが共演した作品が1つだけあるんだよね。
それが以前の007記事でご紹介した「ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション」。
4代目ジェームズ・ボンドのティモシー・ダルトンが出演した映画に、ピーター・グレイブスも出演してるよ!
もちろん両者既に現役引退後だけど、現役引退後でも、ジム・フェルプス役だったピーター・グレイブスがボンド俳優と共演したのは、これが最初で最後。
【ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクションはU-NEXTで配信中!】
おしまい