ヨーロッパ全域で毎年開催されている「ユーロビジョンソングコンテスト(Eurovision Song Contest)」って知ってる?
2014年に話題になった「ヒゲ美人」ことコンチータ・ヴルストを世に生み出したコンテストがこのユーロビジョン。
毎年すごい面白いのに残念ながら日本ではTV放送されていない!でも諦めるな!我々にはYouTubeがあるぞ!!!
欧州国別対抗歌合戦
ユーロビジョンを簡単に説明するとまぁそういうこと。
参加資格を持つ国は「ヨーロッパの国」ではなく、「欧州放送連合(EBU)に加盟する放送局を持つ国」というところがポイントね。
元々ユーロビジョンの自体はTV放送されていたオーストラリアは、欧州本土よりもよっぽどユーロビジョン人気が高かったそうなので、EBU賛助会員(加盟はしてないけど提携してる)だけど2016年から参戦するようになった。
おかしいな、日本も賛助会員なんだけど、TV放送すらされてないぞ…?
また、リヒテンシュタインみたいに、EBUに加盟する放送局はあるんだけど予算的に厳しいので参戦してないとか、内戦中(!)なのでそれどころではないとか、国ごとにいろいろ事情はあるので、参加する国は毎年同じ国が参戦するとは限らない。
各国のテンションの差
近年では、参加国によってユーロビジョンの地位にかなりの差があるみたいね。
特にBIG5を含む西欧各国ではユーロビジョン自体があまり人気がないっぽい。
一方で、ロシアやベラルーシなどの旧ソ連諸国では、「ユーロビジョンに出場した」というのは歌手として箔が付いた感じになるみたい。一流歌手の仲間入り的な。
これが何なのかというと、「勝ちに来てるかどうか」にものすごい影響するんよ。
例えば、イギリスならアデルとかユーロビジョンに出たことあるのか?って話。
世の一般的なヒットチャートに出てくるような歌手はユーロビジョンに出してこないんですよ西側は!
イロモノ決定戦になることもある
楽曲もそうだけど、ステージパフォーマンスも勝負の要素になっている節がある。
日本で言う、紅白の時の小林幸子さんとか美川憲一さん的なアレ。インパクト勝負というかね。
その中でも名物キャラクターと化したのがウクライナのヴェルカ・セルヂューチュカ(Verka Serduchka)。
クセがすごい。ダンサーやコーラス含め、個性の渋滞が過ぎる。
日本では、むしろ「ドレミのうたの人」として知られてる気がする。ヨーロッパでこの人が知れ渡るようになったのはユーロビジョン以降です。(たぶん)
このビジュアル、無駄にキャッチーな曲、独特なパフォーマンスで、あわや優勝するところまでいったけど、残念ながら結果は2位。
その後もプレゼンターやゲストなど、なんやかんやでほぼ毎年ユーロビジョンに参加しているヴェルカすごい。
ちなみに、母国であるウクライナやロシアでは、ユーロビジョン出場前から普通にこのキャラでTVに出ていたので界隈では知名度あったけど、ユーロビジョンでのブレイクを経て、最終的にはこのキャラのまま映画まで出た。
2015年に出演した映画「SPY」のサントラにまで収録される始末↓
ヴェルカも出場した2007年は当たり年
3時間以上あるんだけど、もしよかったら2007年の決勝の様子でも見てみてね。
オープニングで困惑するとは思うけど、これは前年優勝したフィンランドがイロモノハードロックバンドで優勝してしまったので、あんな感じのオープニングに。(ユーロビジョンでは、優勝した国が次の開催国になる)
この頃ぐらいまでは、各国のお国柄が出てる曲調だったり、いろんなジャンルの歌手が登場したり、歌詞がその国の公用語だったりと、万博的な楽しさがあったんだよね。
あと、イギリスとフランスは、両方のステレオタイプをEテレで見てる感じで、ある意味面白い。
そういえば、この年のイギリス代表のScoochは、DDRやビーマニにも曲を提供してたので、そっちでご存知の方もいるかも。
2007年は予選の時点でだいぶ面白かった
こちら、デンマークの日出郎DQという歌手。まさかのヴェルカと女装かぶり。ステージパフォーマンスのショーパブ感すごいよね。行ったことないけど。
曲的にはかなりよかったと思うんだけど、ショーパブの説明のような歌詞と、2丁目っぽいパフォーマンスがちょっと強すぎたんかな。残念ながら予選落ちしてしまった。
他にもノルウェーとかオランダとかよかったと思うんだけどね…
デンマーク↓
ノルウェー↓
オランダ↓
オフトナイズが選ぶ2007年優勝曲はコレ!
2007年は母国語で歌ったセルビアが優勝したんだけど、オフトナイズではルーマニアのトドモンドが歌った「Liubi, Liubi, I Love You」を推したい。
英語→イタリア語→スペイン語→ロシア語→フランス語→ルーマニア語と歌詞が変わるのに合わせて曲調も変わっていくんだけど、全部翻訳するとちゃんとストーリーが繋がってるんよ!すごくない!?
「I love you」は万国共通、たとえあなたがどこにいても、いつもあなたを大切に思ってるよ
基本的にはこんな感じの内容に情景描写がついた歌詞になっていて、たとえイタリアにいても、スペインにいても、みたいな感じで歌詞が繋がっていく。
曲の最初の方だけ聞くと「つまらん…?」って思うかもしれんけど、ぜひ最後まで聞いてほしい。思わぬ盛り上がり方で終わるから。笑
ユーロビジョンは第二次世界大戦の戦後復興中に、「ヨーロッパ一丸となって明るいエンターテインメント番組を作ろう!」というところからスタートしたらしく(すごい老舗イベント)、この曲はそういったヨーロッパのいろんな国と文化を尊重する大会の趣旨によく沿った曲だと思う。ヨーロッパ中の言語でどんどん歌詞を作っていったら面白いんじゃないかな。
ちなみに、最初に英語で歌ってる彼、イントロであからさまなギターの弾き真似みたいなアクションをしてるけども、彼の本職はギタリストです。(当時はルーマニアのバンド「Supermarket」のギター担当)
2018年はどうなった?(ネタバレ)
(記事公開当時の)今年2018年、俗に言う「イロモノ」が優勝しました。笑
イスラエルのネッタという歌手、気のせいかビジュアルがだいぶ日本テイスト。大量の招き猫と着物風の衣装やね。
本番直後からしばらくネット上で「鶏?なんかサビ鶏っぽくね?」と話題に。
なんか最初は「なんやこれ…(困惑)」って思うんだけど、だんだんその鶏がクセになるスルメ系なのよコレ。鶏なのにスルメ。
ネッタ vs ヴェルカ、クセつよの戦い
ネッタが優勝した翌年のユーロビジョンでのエキシビジョンで、ここ数年のユーロビジョン代表者4人が自分以外の曲をカバーしたんだけども、もう個性と個性のぶつかり合いでどこから説明しようかね。
とりあえず、サムネの左端、最初に登場するのは「ヒゲ美人」コンチータです。この際「ヒゲ美人」なのかどうかは置いといて。コンチータは自身の翌年の優勝曲、モンス・セルメルローの「Heroes」をカバー。相変わらず歌唱力はガチなんだけど、もうビジュアルで気が散っちゃって…
で、その「Heroes」で優勝したモンスは2018年の準優勝曲、エレニ・フィオレイラの「Fuego」をカバー、そのエレニはヴェルカの「Dancing Lasha Tumbai」をカバーしてはっちゃけ、そのヴェルカは2018年の優勝曲「Toy」をカバー。
ネッタの「Toy」は2019年に欧州各国の国内予選でもいろんなプレゼンターがカバーしたりしてたんだけど、ユーロビジョン本選では満を持してヴェルカ登場。なんだろうねこの変なフィット感。
そして最後は開催国ギリシャの1979年優勝者、ガリ・アタリさんと一緒に全員で歌う。生物学的にこの5人中3人は男性のはずなんだけど、この中では唯一芸風が正統派のモンスが浮く始末。
2019年は世界最小共和国のサンマリノがクリティカルヒット!
ネタバレではないけども、2019年で一番印象に残ったのでご紹介。
ユーロビジョン出場国の中でも毎年1、2を争う弱小国「サンマリノ」。
予選の時点でドベを2回も記録したり、とにかく戦闘力が全くなかったサンマリノがここにきて覚醒!一部のファンの間で爆発的に中毒者を増やしたぞ!(不穏)
聞けば聞くほどクセになる「謎の中毒性」を持った2019年の出場曲がこちら
なんだこのオジサン、と思った人はサンマリノの記事を見て、どうぞ。
ちなみに2019年のユーロビジョンには超絶人気のロシアン歌手、セルゲイ・ラザレフも再出場!
気になった方は公式チャンネルへGO!
YouTubeにユーロビジョン公式チャンネルがあるので、興味を持った方は歴代のユーロビジョンも見てみてね。直近で5年ぐらいは余裕で見れるはず。
ユーロビジョンの決勝はYouTubeでライブ配信もしているので、リアルタイムで現地と一緒に楽しむことも出来るよ!時差的に日本時間の朝4時5時ぐらいになることが多いけどね!()
2020年以降、じわじわユーロビジョン関連の記事が増えてきたのでポータルページ作りました。よかったらブックマークしてね↓