どうやらサンマリノって思った以上に知られてないっぽいので、完全に独断と偏見でサンマリノの推しどころを力説するよ!
そもそも場所すら知られてないかもしれないので一応書いておくけど、イタリア国内にあって国土が半径5kmぐらいしかない世界で5番目に小さい国だよ。
お約束のEurovision(ユーロビジョン)
海外ネタのほとんどでユーロビジョンの話してるような気がする。
いや、違うんだ!2019年のユーロビジョンはサンマリノが輝いてたんだよ!!
2008年からユーロビジョンに参戦し始めた(2009年、2010年は資金難で欠場)んだけど、過去9回出場して予選を突破出来たのはたったの1回。
そして10回目の出場となった2019年、まず8番手で準決勝を突破し、決勝では過去最高となる19位!いや、これかなりの快挙なんだって!!
今までほぼ予選を突破出来なかっただけでなく、予選の時点でドベを2回も記録してたサンマリノがコレよ!?すごいっしょ!!
サンマリノ史上最強のユーロビジョン出場曲がこちら
え、コレ…?って思った?
あのね、これコメ欄にも似たようなこと書いてあるけど、マジでコレだから↓
1回目:オイオイたのむよサンマリノ…
2回目:なんかキャッチーやな?
3回目:Say na na na~♪
たぶん今もう1回投票やったらサンマリノは順位上がると思う。笑
それぐらいなんか中毒者多いよマジで。
ユーロビジョン2019サンマリノ代表のセルハトさん
「Say Na Na Na」を歌ったセルハト(Serhat)さん、絵に描いたようなイタリアン(便宜上)ダンディだけど、実は「在サンマリノ トルコ人」なんだよね。
確かに顔立ちだけ見れば「あぁ~」って思うけど、さすがイタリアに囲まれたサンマリノから来てるだけあって、かなりイタリア風のオシャレおじさま。
とはいえ、トルコアイデンティも割とガッツリで、実は「Say Na Na Na」の歌詞にもこっそりトルコ語が登場しているのだよ。
それが最後のサビ前のこの部分
Bir, iki, üç!
これ、トルコ語で「1、2、3!」なんだって!へー!
細かい発音は全くわからないけど、カタカナで書くと「ビル、イキ、ウチュ」が一番近いみたい。
だんだん歌詞が沁みてきたので和訳したよ↑
伝説のF1サンマリノGP
ユーロビジョンの話に満足したところで、次はF1。
今でこそ「F1サンマリノGP」は開催されていないものの、1981年から2006年まで、およそ25年に渡って開催されていた伝統のグランプリだったんだよね。
ところがどっこい、厳密には「サンマリノ」ではない
このサンマリノGPが開催されていたサーキットは「エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ・サーキット」、通称「イモラ・サーキット」と呼ばれているよ。
「エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ」は、あの車メーカーのフェラーリの創業者のお名前。
「イモラ」はイタリアの地名。もっかい言おう。イタリアの地名なんだ。
どういうことなのかと言うと、F1は基本的に「1国1グランプリ」なんだけど、F1イタリアGPはイタリアのモンツァというところにある「モンツァ・サーキット」で開催されている。
なので、このイモラサーキットでのレースは「イタリアGP」とは言えないので、サーキットから20kmほどしか離れてない国である「サンマリノGP」という名前で例外的にレースが行われてきたんだ。
2006年を最後に、「1国1グランプリ」が徹底されることになって例外が認められなくなった為、サンマリノGPは終了してしまった。
2020年、コロナ禍でF1グランプリが開催出来なくなった国が多数あり、その補填としてヨーロッパのいくつかの国で代替レースが行われた。そのうちの1つが「エミリア・ロマンーニャグランプリ」で、14年ぶりにイモラサーキットで開催されたよ。
大荒れのレースになりやすかったサンマリノGP
伝統サーキットあるあるなんだけど、コースレイアウトが割と危険なサーキットが多くて、サンマリノもずっと安全性について心配されていた。
で、1981年に開催し始めて以来、このイモラサーキットの「タンブレロ・コーナー」という場所では大クラッシュが多発していて、F1全く興味のない人でも名前は知ってるであろう「伝説のドライバー」アイルトン・セナの死亡事故(1994年)が起こったのも、サンマリノGPのタンブレロ・コーナーなんだ。
セナの同郷でF1世界王者のネルソン・ピケも同じ場所で脳震盪を起こす大クラッシュ、元チームメイトのゲルハルト・ベルガーも同じ場所で炎上事故を経験している。
また、1994年のサンマリノGPの予選ではルーキーのルーベンス・バリチェロが鼻を折る大クラッシュ、ローランド・ラッツェンバーガーの死亡事故があり、その翌日にセナの死亡事故、と大変な事故が重なった為、特に1994年のサンマリノGPは「F1史上最悪の週末」として知られている。
94年の事故を受けて、その後2度ほどコースレイアウトが改修されているので、95年以降のイモラサーキットは、当時ほどの高速サーキットにはなっていない。
サンマリノに神社あるの知ってる?
ようやく庶民的な話題。サンマリノにある神社、その名も「サンマリノ神社」。そのまんま。
日本の神社本庁が正式に認可してて、ちゃんと宮司さんもいるんだよ!
ヨーロッパでは、サンマリノ以外に神社がある国はないんだけど、なんで唯一の神社がサンマリノにあるのかというと、マンリオ・カデロ(Manlio Cadelo)さんという駐日サンマリノ大使がものすごい日本に親しみを持って下さってて、そのカデロ大使と日本サンマリノ友好協会の加瀬英明会長が東日本大震災の犠牲者を追悼する為にサンマリノに神社を建立したから。
カデロ駐日大使がすごい
このカデロ大使、2002年に初めてサンマリノからの駐日大使となった「初代駐日サンマリノ大使」
なんだけどさ、未だにずっと大使。現職駐日大使の中でもブッチギリで在任期間が長いらしい。
しかも、2011年以降は全駐日大使を代表する「駐日外交団長」も務めている。もちろんこちらも初代。
150か国ぐらいが駐日大使を置いてて、その代表がサンマリノよ!?
どうやら在任期間の長い順に就任するらしいので、今後カデロ駐日大使が大使を辞めない限り、この記録は更新され続けるみたい。
歴史や文化について造詣が深い大使
カデロ大使はとにかく日本人の習性、習慣をガッチリ掴んでる人。その1つが「神道」の捉え方。
日本人にとって「宗教」は割とモヤっと済まされる話なので、あんまりガッツリ教え込まれるものではないよね。今でも仏教、神道、キリスト教の文化をなんとなーく取り入れたスタイルの人が多いので、自分の宗教感についてちゃんと説明出来る人って少ないんじゃないかな。
この辺が外国の方との誤解を生みやすい部分だと思うんだけど、カデロ大使の認識は日本人の大多数のそれに近いと言っても過言ではないのだよ。
「神道」は、特に外国の方にとって一般的に「宗教」と認識されているけど、私はどちらかと言うと「文化」という認識だったんだ。なんというか、神社に行くのって相当な神頼みの時か正月ぐらいなので、「宗教」と言うには都合よすぎじゃなかろうか、という感じしない?
大晦日はお寺の除夜の鐘を聞いて、翌日に初詣で神社に行くって、よく考えたらすごいよね。
カデロ大使はこういう日本人の微妙などっちつかずのゆるい感覚を絶妙に理解して下さっていて、インタビューなどでわかりやすく言葉化してくれるので、私は大好きなんだよねカデロ大使。
はっきり「宗教」という認識はないので別に信者云々は関係なく、これが「日本の追悼、祈願スタイル」だから「サンマリノに神社を建立」に至ったのでは。(全部推測だけど)
カデロ大使の立場だからこそ見えた日本人
このインタビューで、すごく興味深いことをおっしゃってた。
駐日外交団長は天皇陛下にお目にかかる回数が多いそうなので、その経験から感じたカデロ大使の感想の一部をご紹介しよう。
これまで数え切れないほど日本人と会ってきましたが、一番威張っていないのが天皇陛下なんです。すごく謙虚な方。すばらしい。本当に哲学者みたいです。でも、誰とは言いませんが、ときどきすごく威張っている人がいますね。そんなときは、「失礼ですけど、天皇陛下が威張っていないのに、なんであなたが威張っているのですか?」と言いたいぐらいです。
産経新聞 駐日サンマリノ大使、マンリオ・カデロ(1)
注釈:文中の「天皇陛下」は、現在の上皇陛下
この後、「喧嘩になっちゃうかもしれなから実際には言わないけど」と付け足されてますが、それだけ陛下にお目にかかった方に言われたら説得力すごいよね。
天皇陛下が神道のトップ、キリスト教で言う「法王」の立場だからという理由でそんなことを言ってるわけじゃないと思うんだ。大昔から続く神道と天皇陛下の伝統を持つ日本の文化というものを、我々よりもよっぽど深く理解されてる気がする。
日本、いいところたくさんあるんだからちゃんとしようよ、と言ってくれてるみたいで、なんだか身が引き締まるよね。ほんと、ちゃんとしようと思う。
たまにこんなインタビュー記事がYahooとかMSNのヘッドラインに登場するので、ぜひカデロ大使を見つけてみてね。
伊達に世界最古の共和国やってないね
山手線の内側に収まるサイズの国と思えない、この強烈なインパクトを持つサンマリノ。
こんなに小さな国なのに、そこらのヨーロッパの国よりはるかに長い歴史と面白いエピソードを持った国なのだよ。
そういえば、ドラクエ6やったことがある人は「サンマリーノ」という町あったの覚えてる?
これ、完全にサンマリノが元ネタだろうね。
むしろ、「サンマリーノ」とほぼ同じ名前の国が実際にあるんや!と思った人もいるかも?
おしまい