突然の立浪ブームから普通の中日ファンに進化しました。
前回の岩瀬さんに続いて愛でる選手は、中日黄金期の鉄壁ショート、井端弘和選手。
伝説の二遊間、鉄壁「アライバ」の頭脳
もう「アライバ」と言えば、中日黄金期の鉄壁の二遊間、二塁手の荒木雅博選手と遊撃手の井端弘和選手のコンビ名であり、象徴的なプレーが、この微妙にアウトに出来なさそうなセカンドベースちょい一塁側に飛んだ打球を、ダブルプレーの要領でアウトに持ってくコンビプレー。
過去のいろんなインタビューなどの話をまとめると、
①荒木さんの特徴として、足が速くて捕球能力も高いので、守備範囲が恐ろしく広い=セカンドベースからかなり遠い打球も捕れることは捕れる。
②荒木さんは、守備範囲内であれば頭上を越えない限り大体捕れるけど、守備位置の向き的に反対方向となる一塁側に投げるのは、位置によっては微妙に間に合わない。
③荒木さんも井端さんも肩が強い方ではないけども、肩の強さと送球能力はどちらかと言えば、井端さん>荒木さんである。
④井端さんは荒木さんが打球を捕りに行く時、セカンドベースを守る為に、ショートのポジションからセカンド方向に走るので、ずっと一塁側を向いている。
これらの状況から井端さんが考え出したアウトを取る方法は、
一塁から二塁に走ってくるランナーがいなくても、ダブルプレーのように荒木さんが井端さんにトスをして、井端さんが一塁に投げる、という策。
これで、今までアウトに出来なかった打球でアウトが取れるようになったのだった。
まぁ、さらっと言ったところで、そもそもは確実な捕球能力とトスの技術、寸分のロスもなくトスが来る位置を予測してボールを受け、一塁に正確な送球をする技術が無いと成立はしないんだろうけども…
ちなみに、井端さんの公式YouTubeチャンネル、イバTVに荒木さんがゲストで登場した時、「井端さんはいつもいろんなことを考えてる」と荒木さんが何度も言っていた。
考える井端
井端さんの頭脳プレーと言えば「なんという井端」も有名。
クライマックスシリーズで8回裏3対3の同点で1アウト満塁のピンチを迎えた中日。バッターは高橋由、カウントは2ボール2ストライクの状況。
フォアボールは許されず、まだ1アウトなので三振取ってもさらに1人抑えなければならない中、高橋選手の打った打球はショートゴロ。
通常であれば、ショートゴロ→ホームに投げて追加点は阻止、2アウトでなお満塁が続く状態になるところ、井端選手の判断は、捕球姿勢が悪くてホームに投げてもたぶん間に合わない、目の前にはセカンドベース、ということでセカンドベースを踏んで一塁に投げる、で見事ダブルプレーで8回裏の攻撃を終わらせた。
あの投げてから打って捕るまでの短い時間で瞬時にコレを判断したのはまさに驚異。
さらに、イバTVの「なんという井端」について話している回では、セカンドベースのこの辺からだったら一塁はあの辺だな、って実際に一塁の位置を目で確認する前に感覚で投げた、ということを明らかにしてたけども、それで一塁ぴったんこに投げてるのすごくない…?
どれを見てとは言わないけど、確かに送球能力は井端さん>荒木さんだと思った。
右打ちの井端
主に守備職人として名前が挙がることが多い井端さんの、打撃面での異名がこちら。
井端さんはどちらかと言えば小柄な選手で、パワー系の長距離バッターではない。ということで、どうにか繋ぐ役目を期待される打順で登場することが必然的に多くなるために生まれたのが、ギリギリまでボールを見てから打つこの技術。
実はコレ、プロどころか大学に入るよりも前の高校時代に、当時の監督から徹底的に右打ちを仕込まれていたとのこと。
長打がホイホイ打てるように、ではなくて、打線を繋ぐ意識を叩きこまれてプロにやってきたので、とにかく敵にとって嫌なことを考えていろんなことをする、という選手になったそうだ。この方針だと同時に「なかなか替えがきかない選手」にもなれるので、井端さんは「敵の嫌がることがいろいろ出来る選手」というポジションでレギュラーを確立していった。
井端さんのように右打者であれば、通常は左方向に打つ方が打ちやすいけども、狙って反対方向に打てるとなると、敵は打球のアタリをつけた守備をするのが難しくなるだろうし、ギリギリまでボールを見れるので、ファールで粘ってピッチャーに投げさせ、甘い球をヒットにする確率を上げることも出来るだろう。
また、臨機応変に右方向・左方向と打ち分けてたようなので、出塁必須な場面や、その時のランナー・守備の位置に応じて狙って打ってた感じなのかな?プロ野球選手すごい。(小並感)
アライバ全盛期、中日の打順は「1番セカンド荒木、2番ショート井端」でほぼ固定だった。入団時は「バッティングが残念」で定評のあった荒木選手がとにかく初球でも何でも打ちにいって、塁に出れば走りまくる、そして2番の井端選手が粘りまくって次に繋ぐ、という基本パターンが完成。そして荒木選手一番の売りは「足」。井端選手が粘りまくる間に盗めるところでどんどん盗塁を決めていく。そして粘った末に繰り出す右打ち→荒木選手ホーム生還。1、2番打者だけで1点稼げる、これがアライバの攻撃力だった。
とにかく適応能力が抜群に高い井端さんは、荒木さんが盗塁しまくるおかげで、打席に入った時に視界の端で荒木さんがチラっと動くと、バットを振らずに止めるクセがついたそうな。クセ…?
ちなみに、2013年のWBC台湾戦で鳥谷選手が9回裏1点ビハインド2アウトからの超チャレンジャーな状況で盗塁を決められたのは、井端選手が右打ちを狙ってギリまでボールを見極めながら粘ってたことに加えて、この「クセ」が発動したことも大きな要因だった。
そして、ここまで右打ちなおなじみになってしまうと、右打ち封じのコースに投げられやすかったため、あえて引っ張り(左)方向に打って、右打ちしやすいボールを投げてもらう、という戦略も取っていたとのこと。要は、どちらの方向にも狙い撃ちが出来たというなんとも万能な選手。まさに「井端はいいバッター」。(言いたかっただけ)
関東生粋の職人肌
井端さんは神奈川県の川崎市で育ったということで、俗に言う「ハマっこ」感というよりは、江戸っ子寄りの関東生粋の職人肌って感じ。(伝われ)
同じく中日の神奈川県民と言えば、山本昌さんとか、森野将彦さんあたりが代表的だけども、2人の地元は茅ケ崎と保土ヶ谷なので、やっぱりこちらはちょっと「ハマっこ」感チラつくとこあるっしょ?(伝われ)
何が言いたいかというと、井端さんは微妙に口が悪い。笑
フランクな感じのインタビューだと「〇〇じゃねえかなっつって、」とか、敬語だとしても「〇〇してたんスよ」みたいな口調が出ちゃうわけですよ。
他の選手を見る限り、方言勢じゃなければ一応もうちょいよそ行きな感じで話してるっぽいんだけど、たぶん井端さんは結構セーブしてもこの状態。
しかもなぜか「べらんめえ」調でもあり、ら行が巻き舌になりがち。笑
イバTVに荒木さんがゲストで来た回。気心知れた人が相手だとこれぐらいの巻きっぷり。伝わるかなこの生粋の下町系関東感。
荒木さんへのリスペクトが止まらない
井端さんと言えば、現役時代は警戒心の強そうな「ツン!」とした感じの、全然なつく気配のない野生動物っぽいところがあったけども、とにかく荒木さんだけは大絶賛。
現役当時は、どちらかと言えば荒木さんの方が井端さんリスペクトを公にする方が強かったようで、井端さんが急にデレると大層嬉しそうだった荒木さん。
いざ、現役を終えてみると、井端さんが全開でデレることが多くみられるようになった。
解説者として登場したプロ野球ニュースでも、「改めて今、組んでみたいと思う現役二塁手は?」という質問に、まず荒木さん(引退済)の名前を挙げてから、「現役なら~」と答え、武井壮さんの特番にVTR出演した時も、「もう一度荒木と組みたい」と発言(スタジオには引退直後の荒木さんがゲストで出ていた)。
それで、極めつけがコレ。
お互いの存在をひとことで表すと?という質問に
_人人人_
> 愛 <
 ̄Y^Y^Y^ ̄
多くのアライバファンは無事死亡したと思います。
高木豊チャンネルで「井端さんが選ぶベストナイン」という企画をやった時も、ショートに自分は入れずとも、セカンドは先輩のミスタードラゴンズや他球団の名選手を差し置いて、最終的にはきっぱり「荒木」と回答。
とにかく荒木さん大好きなのだった。
いろいろあったけど中日に帰って来て…
主に井端さんと中日フロントでいろいろあって、2013年末に荒木さんを残して巨人入りとなったため、「アライバ」は消滅…。
巨人の選手となったあとも「アライバ」式のネーミングは引き継がれることとなり、同級生の高橋由伸選手と一緒にいれば「ヨシイバ」と呼ばれ、
巨人のコーチ就任後に小林誠司捕手と一緒にいると「イバコバ」と呼ばれたとか。
今でも菅野投手と小林選手のバッテリーが「スガコバ」と呼ばれたり、坂本選手、丸選手の打順が繋がってると「サカマル」とか呼ばれてるよね。
すっかり巨人にも根付いた「アライバ」式ネーミング。
2018年からは解説者メインでの活動となったので、どこかの球団に所属した状態ではなくなったものの、侍JAPANの編成戦略担当は継続。
主に中日ファンの間では、侍JAPANの任期が終わったら、満を持してドラゴンズ復帰となるのでは?と期待されている。
というのも、今まで中日サイドにいろいろあって、監督コーチ職に恵まれなかったミスタードラゴンズの監督就任がようやく現実になりそうなことと、もし監督になれば、現役当時から近い人物と言われていた井端さん招集の可能性が高いことが噂されているので、2014年以降、生え抜きではなくなってしまった井端さんがまた中日色を出し始めてることもあって、あと数年でいい感じになるんじゃないの?なるんじゃないの?って状態らしい。
井端さんが巨人入りして以降、ショートの坂本選手を始め、巨人の選手に間違いなくいい影響を与えてしまったので、中日ファンとしては是非とも帰って来て頂きたい。
現在、中日は荒木さんが内野守備走塁コーチを務めているので、中日の守備も抜群に良くなっていってるけども、井端さんを囲っておかないと他球団に持ってかれた時の影響がデカすぎる。アライバの鉄壁守備は門外不出にしておくレベルの技術だと思うのだよ…。
なので、早く中日に帰って来て下さい!(切実)
ちなみに、2007年の井端さんのトークイベントで気になることが。
子供さんからの質問で、「プロ野球選手になれますか」と聞かれ、井端さんは「あと15年後ぐらいだろうから、立浪さんに言っておきます。」と答えています。その「15年後」は2022年。この記事を書いてる今は2020年。
予言となることを期待してます。
それでは最後に井端さんの好物をご紹介して終わりましょう。
_人人人人人人人人人人_
> おいでませ!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
書き足りなくてアライバで書き直したよ↓