西城秀樹さんがお亡くなりになってもうすぐ3年。
全く世代じゃないにもかかわらず、我が家ではなぜかこのタイミングで突然ヒデキブームが始まり、ついにライブDVDを買ったので見せびらかしたい。
ライブDVD自体、生まれて初めて買う
ワイ、プロの歌手には基本的に歌唱力を期待するスタンスなので、ライブ自体そんなに興味がなかった。だってリリース音源なら完璧な状態で聞けるじゃん。なんでわざわざ不安定な生歌を聞くのか。
…って30数年思ってたけど、まさか日本人で演歌歌手でもないのに、リリース音源以上の生歌を披露出来る歌手がいるとはと思わず、ヒデキの真の実力を知った時は相当な衝撃を受けた。
【ワイの職人芸固執っぷりの話はこちらでどうぞ↓】
ということで、生まれて初めてライブDVDを買ったよ…!もうヒデキしか勝たん…!
思い出のBailamosが見たい
思い出の歴が浅い。(ほんの1か月前の話)
2021年1月に我が家でヒデキブームが始まるきっかけとなったBailamosの生歌、ネット上でいくつかの番組で披露してるのは見たけども、どうしてもご自身のライブで歌ってるのが見てみたかった。
リリース時期が時期なので、そもそも生で歌ってる回数が他の曲に比べて相当少なく、その中でも自身のライブで歌ってDVD化されてるのはたぶんこれ1枚のみ。とりあえず1枚でもDVD化出来ててよかったよ本当に…
先に言う、ちゃんと歌うので安心して
曲順リストでおわかりの通り、最初は4曲続けて洋楽で、その4曲目がBailamosなんよね。
ほんでね、安定の生歌でTonight we dance~♪素肌をなぞる指~♪って始まってさ、しっとりしたアレンジでもやっぱうまいなぁ~さすがやなぁ~って思いつつAメロBメロ聞くじゃろ?
で、サビきたー!ってなったら、
ヒデキ「Bailamo~~~~~~s♪」
ヒデキ「…」
ヽ(・ω・)/ ズコー
\(.\ ノ
、ハ,,、  ̄
歌わんのかい!!!!!一番大事なとこ!!ってなったよね。
2番も同じ感じだったので、そういうアレンジなんかな、と思ったところで最後のサビ、
ヒデキ「Bailamo~~~~~~s♪」
ヒデキ「抱いて抱っきっしっめってッッッ!!」
言い切った!!ww
正直、唯一のライブ映像がアレンジか~…と思ったけども、さすがヒデキ、ライブの最後の方で改めてちゃんと歌います。安心して。(私が一番安心した)
最初に曲順ちゃんと見ろって話なんだけど、序盤、終盤+特典映像のMVで計3回Bailamos歌ってくれるんよこのDVD。さすがDVDのタイトルにしてるだけのことあったよね。ありがたすぎる。
選曲オブ・ザ・イヤー
Wikipediaで確認した限りだと、現在映像化されている一番最新のライブが、このBailamos2000らしいんよ。リリース日じゃなくて、ライブを行った日が最新のやつ。で、たまたま他とは少し違う方針で選曲してたらしく、結果的にこのライブ映像がとんでもなく貴重な映像に。
地味に「悲しき友情」などいくつかの曲は、85年の武道館ライブ以来の映像化だったんじゃないかな。(85年の武道館ライブ自体は2020年にブルーレイ化されてるけども)
そもそもリリース曲多いしヒット曲多いし洋楽もやりたいとか考えたら、毎度ライブの選曲大変だったと思う。だって、少なくとも「傷だらけのローラ」、「ギャランドゥ」、「YOUNG MAN」とかは毎回絶対やらんといかんやつでしょ。
なんも考えずに選曲したら、あと「激しい恋」、「情熱の嵐」、「ブーメランストリート」ぐらいは挙げると思うので、その時点でもう6曲。このペースで選曲すると、ライブの度に丸一日歌わないといけないぐらいの曲数になってくる。どれを歌ってどれを削ってって作業は毎度だいぶ悩んだんじゃないかしら。
あと、映像化されてるライブの曲順リストを見ると、大体終盤に「ブルースカイ ブルー」か「ナイトゲーム」のどっちかが入ってるけど、正直、Bailamos2000で「ナイトゲーム」の方を残すと思わなかった。この時ヒデキもうすぐ45歳だったし、ライブの終盤でガツン!とした曲はしんどいから回避するかなって思ってたので…(小声)
いやーでもさすがヒデキやわ!ライブの序盤でも話してたけど、体力作りだいぶ頑張ったからこそ実現した選曲だったんだろうなコレ。そもそもバラード少ないし、そのうち2曲は「愛の十字架」と「サンタマリアの祈り」で普通にフルパワー系やし。
とにかく、86年リリースなばっかりに85年の武道館ライブにも収録されていない「Rain of Dream 夢の罪」を歌ってくれたのがナイスすぎる…!(涙目)
どうしてもこのライブで披露された生歌のすごさを力説したい
話が長くなる予感しかしないけど、これだけはどうしても放出したい!という曲のレビューを書く。もはや感動を伝えたいとかじゃなくて、すごさが自分で消化しきれないので書きたいだけ。
じゃ、行くぜ。
悲しき友情
まず、曲自体めっちゃカッコいいのに、あんまりライブで歌ってないっぽいのが意外だったし、それをフルで歌った映像を残してくれたことに感謝が止まらない。
出だしの曲調は、今エンジンかけたばっかなんでまだ車アイドリングしてます、みたいな回転数の低いところからスタートするけども、曲が進むにつれて、「ついにレースが始まるぜ!」みたいな緊張感が転調するごとにみなぎってくる感じが大変良き。(歌詞全無視の解釈)
そもそも、曲の構成もなんか独特よね?そんなことないかね?Aメロ、Bメロって括りづらいというか、メロディが行ったり戻ったりしながらバンバン転調していくっていう。So long good-byeの辺でレースのスタート直前みたいな、一気に発射しそうな感じを留めつつ、さらに転調で畳みかけるっていう。
説明が酷いけども、一番最後の「幸せにしな あの娘はお前のもの」の声が最&高。特に「な」と「あ」が最高。(細かい)
大人ヒデキのいいところが抜群に発揮されたワンフレーズよコレ。ヒデキにこんだけ言われたら、お前はほんとにあの娘を幸せにしにゃいけん。
気になる作詞
またちょっと話が脱線するんだけど、「歌詞があんまりヒデキの曲にはない系統のストーリーっぽいな、作詞は山川啓介さんかぁ…」と思って調べたら、ギャバンとかシャリバン的な刑事特撮系の大半を担当されてる方だった。シャイダー、ジバン、スピルバン、ジライヤ、ウィンスペクター、エクシードラフト、全部山川さん!すごい!
確かにその系統やわ。最初に「悲しき友情」を聞いた時、「なんだろう、この戦いの果て感」って思ったもんよ。内容だけ聞いたら直接バトルしたような描写はないんだけど、ずっと背中を任せてた親友と殴り合いでもしたんやろな、って思いながら聞いてた(なんだこの設定)。滲み出る特撮フレーバーをキャッチしてたのだろうか。言い回しが特撮っぽいのかな。
で、さらに気になったのが、この「悲しき友情」と同じく筒美京平さん、山川啓介さんの組み合わせで作られた曲で、1978年に野口五郎さんの「グッド・ラック」のB面でリリースされた「消えたハリケーン」が、ほぼ同じストーリー展開ということを知り、一瞬ヒデキvs五郎さんで戦ったんじゃないかと勝手に思い込んでゾワッとした。(とんでもない取り越し苦労)
いや、実際には五郎さんの方もヒデキと同じく身を引いた側の歌詞で、「やっぱあの女はお前に似合う」とか「幸せにしろ」とか言ってるので、むしろ仲間な感はあるけども。何この考察。
愛の十字架
あのね、語彙を捨てようかと思うほどの素晴らしさだった。
最初にこのDVDを見た時はパートナーと一緒に見ててさ、「情熱の嵐」みたいな盛り上がる曲の時は、「うまい!」とか「いいねぇ~」とか話しながら見ることも多いんだけど、この時だけは2人とも黙ったよね。
歌い終わった時点でまだしばらく絶句してたんだけど、ようやくひねり出した言葉が「ナニコレ…?」「すっg…なん…すご…」だけ。1曲で人間2人の語彙力を奪っていったヒデキ。
そして、20年越しの画面の向こうで人間2人が語彙力失ってるとか知らないヒデキは、「愛の十字架、久しぶりに見たかったでしょ?これはね、きっと喜んでくれるなと思ったんですよ。」ってうれしそうに話すんよ。なんでそんなピュアい言い方するの…!
ライブの日が来るまで「みんな喜んでくれるかな~♪」って過ごしてたと思ったらホワホワする!ワイルドはどこへ!あれだけの歌唱力を解き放っといて、歌い終わったらすぐコレだからね。ガッツリ刺さった!
初めて気にした当時のランキング
まだ語彙力もロクに回復してないのに、さらなる衝撃を受けたのがこちら。
ヒデキ「なんで(今まで)取り上げなかったのかなーって。1位獲った曲なんですよね。」
えっ?他の曲ってあんまり1位獲ってないの?と思って調べた。むしろ、ヒデキのクオリティなら当然のように1位ばっか獲ってると思ってたので、言われるまで気にしたこともなかったわ。
Wikipediaを見た限り、「ちぎれた愛」や「YOUNG MAN」が何週も1位な一方で、他の曲は意外とトップ10圏内止まり…。「激しい恋」や「傷だらけのローラ」でも最高2位ってかなりの衝撃。どんな時代やったんよ…?
結局、1位獲ったことのある曲は、「ちぎれた愛」「愛の十字架」「YOUNG MAN」の3曲のみ。ウソでしょ…?そらその3曲は当然1位やと思ってたけど、「激しい恋」「傷だらけのローラ」「ジャガー」「ブーメラン ストリート」「炎」などなど他にも1位だと思ってたやつめっちゃあるし、ワイの中では1位なので全部1位です。よかったよかった。
サンタマリアの祈り
あのね、語彙を捨てようかと思うほどの素晴らしさだった。(2回目)
いや違うんよ、「愛の十字架」とコレを連続はいけん!(いけんことはない)
また長くなるから省略するけど、初見の時はパートナーと一緒に「愛の十字架」の時とまんま同じリアクションを繰り返したからね。マジで。2人して絶句。さっき取り戻した語彙力がすぐ消し飛んだ。
ほんでこの手のパワーバラードが転調しちゃいけん!(いけんことはない)
感じた通りに書いたけど「パワーバラード」ってジャンルある?まぁこの際なくてもいいけど最後のサビの後半、44歳がとんでもない声量を解放してたよ。「愛の十字架」もそうだけど、リリース当時より30代以降の方が好みの声なので、衰え知らずの声量+完成した歌唱力+後期型大人ヒデキボイスの破壊力ったら。
その後、何回もこのDVDを家事とか作業しながら流してるんだけど、毎回このターンになると一旦手を止めてしっかり聞く。煮物作ってたけど一旦火も消したよね。
Rain of Dream 夢の罪
まさかヒデキがこの系統の曲歌ってくれるだなんて!って初めて聞いた時はさぞかし感動したよ。やっぱこういう曲が似合うっしょ!(力説)
なのに生歌探したらめっちゃ少ないの。マジでこの曲、リリース当時のTVでぐらいしか披露してなかったん…?ライブでめっちゃ歌ってたけど映像化されてないだけとか?
ワイの中では1、2を争うぐらいヒデキっぽい曲だと思ったんだけど、なんか世間様(?)と認識にズレがあるんでしょうね…?
そらズレもあるわな。令和のこの時代にデビュー曲から最後のシングルまで一気に聞いて、ヒデキ自身は日本特有の歌謡曲やJ-popより洋楽ロック系のような構成(なんとなくの感覚すぎてうまいこと説明出来ない)の曲の方が好きだったんじゃないかな、って印象があるから「Rain of Dreamみたいな曲が似合う!」って思ったけど、ヒデキを見始めた時期とかによってみんなそれぞれイメージ違うだろうしね。
まず「洋楽」が漠然としすぎっしょ。要するにUKロック(アメリカも?かな?ようわからん)的なところがルーツっぽいので、やっぱそういうスタイルへの意識が他の歌手より強めなのかなってのが全体的な印象。いやもう全くの守備範囲外なので漠然とした想像ばっかりだけども。
とにかくこの曲、後期型大人ヒデキボイスが超仕事しとる。そして生演奏最強説。数少ない生歌ソースを、この頃の声で残してくれて本当にヒデキカンゲキ!(間違った使い方)
探し方もわからないやつ大好きマン
マーティン・ステンマルクっていうスウェーデンの歌手を推した記事でも書いたんだけど、スウィング?シャッフル?みたいな、楽譜の最初に8分音符2つ=中抜き3連符みたいな記号(こんなやつ)がついてるような曲大好物なんよ。
そもそも普段あんまり音楽聞かないし、知識もないから本当に漠然(さっきからずっと漠然)とした話だけど、俗に言うJ-popでこういうタイプの曲って結構あるんかな。探し方もわからないのでパッと思い浮かばない…。
洋楽だとロックバンドとかが1曲はこういう曲出してくれてたりするので、なんか洋楽っぽいイメージの曲調なんよね。これまでリリースした曲も結構洋楽カバーが多かったし、最初に聞いた時はなんとなく洋楽カバーだと思ってたので、作曲が日本人って知った時はだいぶ驚いた。()
作曲した沢村拓二さん、元々はバックバンドのギタリストさんですってね?他の作品を探したんだけど、これの他には小堺一機さんの「Bye-Bye Brothers」だけっぽくて、こちらはRain of Dreamみたいな系統の曲ではなさそう(まともなソースが見つからず)だったのでちょいと残念。もっとこの系統作ってほしい。
令和を生きる(ほぼ)45歳のヒデキ
つくば博で走り回っても全く息切れせずに「一万光年の光」を歌っていた85年から15年、さすがに当時と同じ体力とはいかないけども、40代中盤にしてこんだけの声量が出ることがすごい。
このDVDの合間合間に舞台裏の映像が収録されてるんだけどさ、かなりの確率でタバコ持ってるんよ。2000年ぐらいでもまだ割とどこでも吸えたんだっけね?後に禁煙するとはいえ、若い頃からこのペースで吸っててこの声量を保っていられたってことは、相当の肺の怪物だったんじゃなかろうか。
アンコールの時に「勘弁してくださいもう、来月45になるんです」って言ってたね。45歳に無理させたくはないんだけど、それでももっと聞きたいって思っちゃう歌唱力。ほんで、ここからしっとりした曲じゃなくて、ガツンとロックな曲を2曲も歌ってくれるのがヒデキすぎる。さすがです。
あのー、夢中になりすぎたりすると無心で一定の作業に没頭というか、集中出来たりするじゃん?まばたきもしなくなっちゃって、一点見つめたままになっちゃうやつ(文字にするとなんか危ないな)。感覚的には「瞑想」みたいな感じのアレ。頭が無になると、何かが回復していく感じがするんよね。ヒデキが全力で歌ってる間だけは何も考えなくて済む。ただその歌唱力と熱量をド正面から堪能するだけ。
改めて言うけど、私は本来そんなに音楽に興味ないんよ。間違いなく人並み以下。だからどんな歌手がいるかもよく知らないし知識もない。ぼやーんとなんとなくの感覚で「この曲ええなぁ~アハハ」って毛穴開いた状態でしか音楽を聞いてこなかった私が、全ての作業の手を止めてヒデキのライブ映像に集中することになるなんて思ってもなかった。
もう本当に悔やまれる。80年代以降なら私もこの世に生きてるんだよ。なんで当時のTVとか録画してこなかったのか…。ビデオデッキの使い方わからなくても、カーチャンとかに頼めば撮ってもらえてただろうに。まぁ90年代に入っても必死にドラえもんだけ録画してたぐらいだから、どっちみちまだヒデキの魅力が理解出来るほどには成長してなかったか。
今、デロリアンを手に入れたら絶対1980年代に行って、両親に後の私のためにヒデキのTV出演を片っ端から録画しておいてやってくれって頼み込むわ。
そう思うほどの魅力を見せてくれた、45歳のヒデキの貴重映像を大事にしたい。